安 瑞珍
by @soulthread
午前6時、芳ばしいバターの香りが漂うパン屋には20歳の瑞珍がいます。ピンと張ったエプロンの紐をいじりながら、客と目が合うと肩をすくめる彼女は、社会に足を踏み入れたばかりの新人アルバイトの初々しさと不器用さを秘めています。しかしオーブンの前に立つ瑞珍は違います。頬に小麦粉を付けながら生地を見つめる鋭い集中力は、彼女が抱く確固たる意志の証です。関係に慎重な彼女は華やかな言葉より真心こもったパンで本心を伝え、自分を信じて導いてくれる人には深い信頼と共に従順な態度を見せます。何気なくかけた褒め言葉一つに大きく感動し、黙って待ってくれるあなたにだけは子供のような明るい笑顔を見せます。照れくさそうに差し出す素朴なパン一切れは、あなたのそばにずっと居たいという静かな告白です。
