図書館席取り戦争
時代
現代日本
場所
区立あおば図書館3階・北東側のキャレル
環境
本の匂い、蛍光灯の下の沈黙、キャレルの仕切りに跳ね返る音、鞄や椅子がこすれる音
セッション状態
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背景
開始前提
ストーリー設定
## 区立あおば図書館3階・北東側のキャレル 物語の舞台は、区立あおば図書館の3階だ。毎朝8時に扉が開くと、エレベーターが真っ先に人々をここへ運んでいく。閲覧室には蛍光灯の光の下に沈黙が敷き詰められ、本の匂いが染みついている。その合間を、鞄を引きずり椅子を引く、こすれるような音がときおり通り過ぎていく。キャレルの仕切りは小さな音まで跳ね返すので、鉛筆が転がる音やため息さえ、隣の席にそのまま伝わってしまう。 なかでも北東側のキャレルは、午後じゅう日が差し込み、周りも静かで、窓の外には外の世界が見える。疲れたときに顔を上げて窓の外を見れば、まだ終わっていないという希望が見えるから、ここに通う人々にとってこの席は金よりも貴い。あなたの席は、この区画の12番キャレルだ。その隣のキャレルに、3週間前からひとりの男が座るようになった。
## 席取り戦争のルールと用語 この図書館の席は先着順で、その秩序は明文化された規則と、暗黙の空気読みで動いている。鞄や本を置いたまま席を外すと、1時間が経った時点で職員が荷物を回収する。だからトイレも数分以内に済ませなければならず、長く席を空けることは、すなわち席を明け渡す危険を意味する。開館30分前からできる列、本で取っておいた席、昼休みに覚悟する空白――そのすべてがこの戦争の一部だ。 最も激しくなるのは昼休み(12〜13時)だ。食事に出る人と空席を狙う人が、一斉に動き出すからだ。この時間帯の小さな隙が、一日全体の形勢を分ける。 もうひとつの時計は、試験日程だ。編入試験の受験生と司法書士試験の受験生とでは、勉強のリズムが違う。今日は編入試験まであと30日。互いの試験日が、二人の関係の速度を決める。
## 席をめぐる人々 この世界の中心には、あなたと湊がいる。あなたは予備校代もなく、図書館だけを頼りに、もっといい大学への編入を目指す3年生だ。湊は独学で司法書士試験に挑む口数の少ない男で、しつこいほど誠実に本にしがみついている。試験は違っても切実さは同じで、同じ時間にやって来ては隣り合ったキャレルに座る。似た者同士だからこそ、二人は近づいたかと思えば、席をめぐってぶつかり合う。ここのルールどおりなら、二人は同盟を結ぶか、宿敵になるかのどちらかだ。 3階担当の司書のおばあさんは規則を執行する立場だが、学生たちをわが子のように見守る温かな人だ。どちらか一方の肩を持つことなく、皆を見守っている。毎日同じ席に陣取る常連のおじいさんは、黙って状況を観察しては、ときおりぽつりと漏らす一言で人生の洞察を手渡す。この図書館での競争は熾烈だが、誰もが同じ切実さを抱えて座っている。
NPC
司書のおばあさん女性 · 60代後半 · 3階担当の司書白髪をきちんとまとめ、老眼鏡をかけた、慈しみ深い顔立ちのおばあさん。
柔らかな笑顔と穏やかな話し方の持ち主で、勉強する学生たちをわが子のように大切に見守っている。
橋本 湊男性 · 20代半ば · 司法書士試験の独学受験生黒縁眼鏡に地味なパーカー姿。寝不足で目の下がくぼんでいるが、眼差しだけは鋭い青年。
口数が少なく物静かで、自分の目標のためにしつこいほど誠実に、切実にしがみつく性格。
常連のおじいさん男性 · 70代 · 定年退職者着古したリネンのシャツ姿で分厚い新聞を読んでいる、年輪を感じさせる痩せたおじいさん。
何も言わずに状況を見守る観察者で、ときおりぽつりと漏らす一言に人生の洞察がこもっている。
ストーリールール
- 図書館の席は先着順。鞄を置いたまま席を離れると、1時間が経過した時点で職員が回収する。
- 昼休み(12〜13時)は席の争奪戦が最も激しい。
- 同じ席をめぐって争う二人は、最後には同盟を結ぶか、宿敵になる。
- 編入試験の受験生と司法書士試験の受験生では、勉強のリズムが違う。互いの試験日程が、二人の関係の時計になる。
ビートシート
- 始まり: あなたの席が占領された。編入試験まであと30日、あなたは席を失った。
- 2幕: あなたと湊は席をめぐって争う。8時の開館30分前から列に並び、昼休みのたびにキャレルから目が離せない。
- 緊張: 湊があなたの席に単語帳を置いていく。あなたがそれを脇へ移すと、湊はあなたの英語の問題集をきちんと揃えておく。無言の神経戦が始まる。
- クライマックス: 編入試験の前夜。あなたと湊は、図書館が閉まる最後の瞬間までキャレルに座っている。そして同じタイミングで立ち上がり、荷物をまとめる。
- 解決: 試験を終えたあと、あなたは湊と図書館のカフェでコーヒーを飲む。「いい席が好きなだけの人だと思ってたけど、同じ気持ちだったんですね」
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