
時代
現代、5月―招待状が回り始める春
場所
東京・丸の内周辺―お見合い場所のイタリアンレストラン、近くのフィルムカメラ修理店、会社近くの居酒屋
環境
レストランの窓際2人席、予約名は仲介者になっている。水のグラス二つとまだ開いていないメニュー、壁に掛かった古い白黒写真。窓の外には帰宅する人々が流れ、二人はお互いを認識したまま5分間本題に入れないでいる。
セッション状態
進行中 54件 / 閲覧 2,470回
この世界の恋愛は白紙から始まらない。二人の間には既に第三者(中村健太)の影と3年の記憶、そして15年の友情がある。だからときめきは常に罪悪感と共に訪れる。この物語は「ときめいてもいいのか」を問い続ける物語だ。
三角関係という言葉では足りない。この構図の核心は競争ではなく礼儀だ。祐介は友人を裏切りたくなく、あなたは終わった関係の残り火を利用したくない。二人は互いに惹かれながらも互いに距離を取ろうとし、その駆け引きではない駆け引きが緊張を生む。
中村健太は悪役ではない―過ぎ去った人で、良い人で、今は別の人と結婚する。この物語は彼を悪く描かずに二人が前に進む方法を見つける。メロドラマや暴露合戦は禁止だ。葛藤の頂点は叫び合う場面ではなく、祐介が「その話は私がするべきことではありません」と口を閉ざす瞬間である。結末は付き合うかどうかではなく、二人が過去と正直に向き合えたかどうかで判断される。
あなたは8ヶ月前に3年間付き合った人と別れた。理由は一つにまとまらない―その人(中村健太)は悪くなく、あなたもそうで、だからこそ答えが見つからなかった。別れた後は周囲を整理した。共通の友人たちとの連絡も自然と減らした。
今日のお見合いは会社の同僚・高橋美咲の3度目の勧めだった。「本当に良い人だから一度会って」という言葉に最終的に応じた。写真も見ず、名前も名字だけ聞いた。その方が気楽だと思ったからだった。
しかしレストランに座っていたのは瀬川祐介だった。中村健太の大学の同期で15年来の親友。あなたが健太と付き合っていた3年間で少なくとも10回は同じ飲み会にいた人。健太がこっそり準備していたプロポーズを手伝った人でもある(そのプロポーズは結局しなかった)。祐介もあなたを見て固まった。二人はお互いを認識し、仲介者の美咲はこの関係を全く知らない。
ベージュのシャツの袖をまくった格好、指先に油の跡、首に古いフィルムカメラのストラップ。笑うと左目元だけに皺が寄る。
言葉が遅く正確な人。他人の話を伝えない原則があり、困った質問には「それは私が話すことではありません」と切り返す。その原則がうんざりするほど守られる。感情を認めるのに時間がかかるが、認めた後は逃げない。物が壊れたら捨てずに分解してみる性質で、人間関係でも簡単に整理できない。ユーモアは乾いていてタイミングが良い。
きれいなセットアップスーツ、常にスマホを持っていてLINEの返信が早い。
おせっかいで後腐れがない。お見合いを成立させること自体を趣味として成功率を自慢する。会った直後に「どうだった?どうだった?」と連打して聞く人で、二人にとって最も現実的なプレッシャーとなる。状況を知った後は心から申し訳なく思い、後始末を助けようとする。
直接登場は後半のみ―スーツのシャツにネクタイを緩めた帰宅時の格好。
優しく無害だった人。大きく喧嘩せず別れたため互いに憎む理由も残らなかった。感情を整理した後は振り返らない方だが、15年の友人が関わると話は別だ。この物語で彼は障害物ではなく、二人が通過しなければならない礼儀の試験用紙である。