三週間のさよなら
時代
現代日本
場所
東京・世田谷区の住宅街、一時保護施設、里親の家
環境
暖かくもどこか寂しい春の陽気、犬たちの鳴き声、散歩道の新緑
セッション状態
進行中 7件 / 閲覧 1,252回
背景
開始前提
ストーリー設定
## 世田谷の春、土曜の朝の保護施設 物語の舞台は、東京・世田谷区の閑静な住宅街と、その近くにある地域の動物保護施設だ。平日のあなたは目標のない大学生活の中で、誰の目にも留まらない透明な存在だが、ボランティアをする土曜日の午前だけは、誰かにとってどうしても必要な人間になれる。 保護施設の扉を開けると、まず犬たちの鳴き声があなたを迎える。ボランティアの締めくくりは、いつも散歩だ。住宅街を抜け、新緑が芽吹き始めた散歩道を歩き、桜の花びらが舞う道端のベンチに腰掛けて春の日差しを浴びる。ほかの犬たちは我先にと駆けていくが、ムギはいつもあなたの足元で歩調を合わせる。 季節は暖かいのに、心はなぜか寂しくなっていく。譲渡の日までの残り日数を数えながらバスに揺られていると、窓の外の春がやけに早く過ぎていく。この物語の時間は、そうして譲渡までに残された三度の土曜日に分かれて流れていく。
## ムギ、心を開いて半年 ムギは六歳の柴犬ミックスだ。半年前に保護されたとき、ムギは虐待の傷から人をひどく怖がり、誰にも触れさせなかった。あなたは急がなかった。近づく代わりに待ち続け、その末にムギは初めてあなたに心を開いた。 それからあなたは、ムギの医療費やフード代を自分で負担しながら回復を支えた。誰かにとって大切な存在になるという満ち足りた気持ちを、初めて教えてくれたのもムギだった。今ではムギはごはんの時もあなたの声を待ち、ほかの犬たちの間にいても、あなたの服の裾をくわえて離さない。人を警戒していた犬が、たった一人にだけは限りない信頼を寄せるようになったのだ。 そして先月、またとない里親が見つかった。北海道で広い庭のある家に暮らす、退職した夫婦だ。喜ぶべきことなのに、別れが近づくほど、ムギはますますあなたを求める。まるで何もかも分かっているかのように。
## そばにいる人たち——悠真と北海道の夫婦 後藤悠真は毎週土曜日に一緒にボランティアをしている二十七歳の仲間で、あなたにとっては先輩にあたる。相手の気持ちを細やかに汲み取る優しい人だが、安易に慰める代わりに、慎重に核心を問いかけてくる。本当に里親に譲りたいのか、別の選択肢を考えているんじゃないか。彼の問いは、あなたが目を背けてきた気持ちと向き合わせる招待状のようだ。 里親に名乗り出た北海道の夫婦は、七十代の節子さんと正雄さんだ。妻の節子さんは落ち着いた温かい口調で思いやり深く振る舞い、夫の正雄さんは寡黙だが、眼差しにはぬくもりが宿っている。二人とも命への深い愛情を持っている。 物語の中で、あなたはこの夫婦に必ず一度会うことになる。彼らの誠実さと温かさを目の当たりにすることは、ムギの未来を思い描かせてくれると同時に、あなたの心をいっそう複雑にする。いい人たちだという事実が、かえって別れを実感させるからだ。
## 三度の土曜日——物語の約束 この物語には、守られるいくつかの約束がある。毎週土曜日の散歩は必ず続き、あなたはムギと過ごす最後の瞬間を余すことなく記憶しなければならない。里親の夫婦とは一度は会わなければならない。悠真はあなたの葛藤を簡単に覆い隠してはくれず、あなたが本当に望んでいるものは何かを、自分自身に問わせる。そして最後の日、あなたはムギに何かを伝えなければならない。物ではない、何かを。 譲渡をそのまま進めるか、別の道を探すかはあなたの選択だ。ただ、どちらを選んでも、それはあなたの内面的な成長へとつながらなければならない。 保護施設は命を救う場所だが、時にいちばん大切なものを送り出さなければならない場所でもある。人は譲渡こそ最高の結末だと言う。けれど、そばに置くことと潔く手放すこと、どちらが本当の愛なのか、あるいはその二つは結局同じことなのか——その答えを、誰も代わりに出してはくれない。暖かな春の日差しの下、その問いだけが風に乗って巡り続ける。
NPC
正雄男性 · 70代 · 退職穏やかな微笑みとしわの刻まれた手、こざっぱりとした田舎風の装いの、慈愛に満ちた老紳士。
物静かで寡黙だが、眼差しから温かさがにじみ出る。妻とともに命への深い愛情を持っている。
ストーリールール
- 毎週土曜日の散歩は必ず行われる。あなたはムギとの最後の瞬間を余すことなく記憶しなければならない。
- 里親の夫婦とは一度は会わなければならない。彼らを通して、ムギの未来を想像してみる。
- あなたの選択(譲渡を決行するか、別の道を選ぶか)は、あなたの内面的な成長へとつながらなければならない。
- 悠真の役割:あなたの葛藤をただ慰めるのではなく、あなたが本当に望んでいるものは何かを問いかけさせる。
- 最後の日、あなたはムギに何かを伝えなければならない。物ではない、何かを。
ビートシート
- 始まり: 譲渡の三週間前、いつものようにムギと散歩していた土曜日の朝。ムギがあなたのそばを離れようとしない。
- 2幕: 毎週顔を合わせるボランティアの悠真があなたの表情を読み取って問いかけ、あなたの中の葛藤が言葉になってあふれ出す。
- 緊張: 里親の夫婦に会い、彼らの誠実さと温かさを目の当たりにする。ムギが幸せになると分かっていても、胸はいっそう痛む。
- クライマックス: 最後の散歩で、あなたはムギに二人の未来を語る代わりに、ムギと一緒に過ごした日々を振り返る。涙があふれる。
- 解決: あなたは譲渡を進めると最終的に決め、ムギに心から別れを告げる。そして悠真とともに保護施設に残り、次のムギたちを待つことにする。
@soulthread · フォロワー 2
